青いバラ 〜Blue Rose〜

青いバラ
Blue Rose ー 英語では、「不可能」「ありえないこと」という意味でも使われます。
古くから、バラに携わる人々にとって青いバラを作ることは永年の夢でした。ですが、バラには青色色素(デルフィニジン)が含まれていないため、どんなに交配しても青いバラは出来なかったのです。
それから青いバラは、見果てぬ夢の象徴。不可能。となったのでしょう。
なんだかロマンティックですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところがです。
近年、交配ではなく、バイオテクノロジーを使った遺伝子組替えによって青いバラを作る研究が進められました。そして2004年、日本のサントリーフラワーズがオーストラリアの企業との共同開発で、遺伝子組替えによって「青いバラ」を誕生させたとの発表で話題になりました。

ついに作ってしまったのですか。と、個人的にはガッカリしていたのですが...。
発表の画像を見ると、そんなに青くもないのです。ネモフィラの様なスカイブルーでも、インディゴブルーでもなくて、どちらかというとモーヴ(灰色がかった紫色)、もしくはライラック色といった感じでした。しかも既存のバラ「ブルーバユー」等に、ブルーに近いという点で負けていると思うのです。発表をする程でもなかった様な...なんだか記事ではなくグチみたいになってしまいました。すみません。
bluerose_img.jpg
青いバラというと、なぜかミスターローズと呼ばれた故:鈴木省三氏の言葉を思い出します。

「青いバラがあったとしてそれが綺麗だと思いますか?」

これは、最相葉月さんの著書「青いバラ」に出てくるのですが、最相さんが鈴木氏に青いバラを作ることについてどう思うかをたずねた時に、おっしゃった返答だったと思います。

この言葉だけを聞くと誤解を受けてしまいそうです。
故:鈴木省三氏は、バラが日本であまり見向きもされなかった頃からバラの生産と育種を学び、多くの優良品種を作出し、生涯バラに捧げた人生を送りました。
そして海外でも「ミスターローズ」と呼ばれるまでになった氏の言葉だからこそ、何か深いものを感じてしまいます。
氏も青いバラと全く無縁だった訳ではありません。青紫系のバラ「紫雲」を作出したり、化粧品会社の青バラの香りの商品開発に携わったりしています。
氏の言葉の真意は分かりませんが、そんな経歴をふまえた上でも、ミスターローズは「青バラ論争」を超えた遠くの何かを見ていた様な気がしてなりません。

サイト内検索

メールフォームはコチラから 画像や情報のご提供をお願い致します。